2026年07月18日

ノリノリの弾き歌い 〜耳が育つということ〜

レッスンの最後に、彼はいつもお気に入りの曲を弾いてくれます。以前の発表会で弾いた、ノリのいい明るい曲。彼の元気な雰囲気にぴったりの一曲です。
発表会ではピアノだけの演奏でしたが、この曲には歌詞があります。
「歌いながら弾けたら、かっこいいだろうな」−−そんな思いから、まずは歌の教材を作ってみようかな、と。

英語の歌詞だったので、小学生でも無理なく歌えるように読み仮名をつけた教材を手作りしました。
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最初は、歌だけを歌っていました。
それがだんだんと、ピアノを弾きながら自然に歌えるようになっていったのです。

そして先日、さらに驚いたことがありました。

彼が、ノリノリで弾くピアノの音と、自分の歌う声とのバランスを気にし始めたのです。

歌声が負けてしまわないように、ピアノの音を少し抑えたい。そこで、歌が低い音にくる部分はどうしても響きにくいのでそこだけ左足で踏むソフトペダル(弱音ペダル)を使ってみることにしました。
ペダルを踏むと鍵盤が少し動くのを見て、「あれ、なんでだろう?」と、彼はグランドピアノの仕組みにも興味を持ったようです。 

そのとき、私自身がかつて先生に教わった言葉を思い出しました。「ペダルは、足で踏むんじゃない。耳で踏むんだよ」。音をよく聴いて、その響きに合わせてペダルを操る。彼が音のバランスを気にし始めた姿は、まさにその第一歩なのだと思います。

どうすれば声がよく響くか。ピアノをどこで強く出して、どこで控えればいいか。息を吸うタイミングはどこか−−。自分の耳で感じ取れるようになってきたことは、すごい成長です。歌もピアノも、ぐっとセンスがよくなりました。

好きな曲を、好きなように弾いて歌う。その積み重ねの中で、耳が育ち、表現が生まれていく。子どもの持つ力の素晴らしさを、改めて感じさせてもらった出来事でした。
posted by Amk at 22:35| 日記

2026年07月01日

ミックスボイスのお話 〜低音を支える、ということ〜

ボイストレーニングは、奥が深い世界です。一人ひとり、声という楽器が違うので、「これが正解」という一つのやり方があるわけではありません。だからこそ面白く、そして難しいのだと、レッスンのたびに感じています。

ミックスボイスは、クラシックでもポップスでもミュージカルでも、とても大切なものです。基本にあるのは、特別な声を作ることではなく、その人らしい「お話しする声」のポジションで、楽に声を出すこと。自然体が出発点なのです。

高い声を出したいとき、つい高音にばかり意識が向きがちです。けれど実は、低い音のときにしっかり支えがないと、息が漏れてしまう。低音こそが、声全体を支える土台になります。
そして大切なのは、低音と高音のバランスです。しっかり緩んだ低い声があってこそ、高い声も無理なく伸びていく。上と下がつながって初めて、ミックスボイスは自由になるのだと思います。

先日のレッスンで、こんなことがありました。高音が得意な生徒さんが、五線の下の「ミ」が出てくる曲に挑戦したのですが、どうしてもその音が潰れてしまう。そこで、喉ではなく体の使い方を中心に、喉を開くレッスンをしてみました。すると、無理なくその音が自由に通るようになったのです。

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声は、喉だけで出すものではありません。体全体で支えてあげると、こんなにも楽になる。改めてそう実感した出来事でした。

ミックスボイスにご興味のある方、声のことでお悩みの方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。
posted by Amk at 15:14| 日記

2026年06月11日

連弾の喜び

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昨日、浜離宮朝日ホールで開かれたダン・タイ・ソンとエヴァ・ポブウォツカのデュオリサイタルに行ってきました。
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お二人は1980年の第10回ショパン国際コンクールでともに入賞した間柄(ダン・タイ・ソンさんは優勝、ポブウォツカさんは第5位とマズルカ賞)。昨年秋の第19回コンクールでは、揃って審査員も務めました。

ピアノソロではなく、連弾と2台ピアノによるデュオプログラム。世界的なピアニストのお二人がともに奏でる音楽は、とても贅沢な時間でした。

特に印象に残ったのは、ラヴェルとプーランク。中でもラヴェルの「マ・メール・ロワ」は連弾の人気曲で、数年前の発表会で、お手伝いに来てくれた友人ピアニストと私とで抜粋を演奏した思い出の曲でもあります。
美しい音色とお二人の掛け合いから、ソロにはないアンサンブルの喜びが伝わってきました。

アンコールはプーランクの「シテール島への船出」。華やかな締めくくりでした。

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連弾には、一人で弾くのとは違う喜びがあります。教室の生徒さんたちにも、音や表現の奥行きの深さをぜひ味わってほしいなと思った一夜でした。
posted by Amk at 11:21| 日記

2026年05月18日

弾き語りで1曲を完成。 そんな日がやってきました

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先日のレッスンで、生徒さんが弾き語りを一曲完成させて聞かせてくださいました。

誰もが知っている昭和の名曲。

途中、リズムに苦戦する場面もありましたが、少しずつ積み重ねて、ついに最後まで通して演奏できるように。

この日は楽譜を見ずに、まるで演奏会のように聞かせてくださいました。

「こんな日が来るなんて」

その一言に、これまでの時間がぎゅっと詰まっているように感じられ、こちらも感慨深いひとときでした。

記念にワインを開けるそうです。

音楽は、少しずつでも続けていくことで、思いがけない喜びにつながることがあります。
そんな瞬間に立ち会えるのは、本当に嬉しいことです。

ご自身のペースで、音楽を楽しんでみたい方も、よろしければお気軽にお問い合わせください。
posted by Amk at 17:28| 日記

2026年04月29日

初めてでも安心 弾いて歌って楽しむ うた・ピアノコース

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「もう終わり?」
「あれも歌おうと思ったのに」
先週のレッスンで思いがけず嬉しい一言がありました。

そんな声が聞こえてくると、こちらまで嬉しくなります。
楽しい時間はあっという間ですね。

前回のレッスンで行った発声練習を楽しそうに歌いながら聞かせてくれたり、
自分から違う調で弾いてみたり、アレンジが生まれたりと音楽の楽しみ方がどんどん広がっています。

歌いながら感じたリズムや音の流れが自然とピアノにもつながり、
体を動かしながら音楽をまるごと楽しんでいるようです。

楽譜が読めなくても大丈夫ですし、はじめてのお子さんも無理なく始められます。
体験レッスンも行っていますので、教室の雰囲気を実際に感じていただけます。

ご興味のある方は、よろしければお気軽にお問い合わせください。
posted by Amk at 19:25| 日記

2025年12月18日

ショパンの夜、芸術劇場にて

一昨日、芸術劇場でショパンコンクール優勝者エリック・ルー氏の演奏会を聴きました。
空気そのものが澄んでいくように感じられる瞬間が何度もあり、
一音が鳴り終わるまでの時間を、客席全体で静かに共有していたように思います。
言葉にすると少なくなってしまいますが、深く印象に残る演奏会でした。

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posted by Amk at 11:46| 日記

2025年11月07日

学生時代の思い出のアリア

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昨夜は長年の憧れの大歌手、ナタリー・デセイのリサイタルに行ってきました。
オペラからフランス歌曲、ミュージカルまで幅広く歌いこなす、そのチャーミングな魅力とセンスの良さにいつも惹かれてきました。

声楽科に転科して間もない頃、大学のオペラ公演のオーディションでメノッティ作曲《泥棒とオールドミス》のヒロイン・レティーシャ役をいただきました。
一年間かけて作品に向き合う中で、一つのキャラクターに入り込む楽しさや、歌と感情が一体化していく不思議さに気づき、ますます歌の素晴らしさを感じたことを覚えています。
その作品の中に、洗濯をしながら物思いにふけり、洗濯かごを片手にそっと歌い出す場面があります。
レティシアが自分の心に芽生えた思い――実は泥棒のボブを好きになってしまった気持ちに気づき、心の内を吐き出すように歌うのです。
〈私の心を盗んで、素敵な泥棒さん〉というアリアで、その繊細な感情がとても美しく表現されています。
今回のリサイタルではその曲を楽しみにしていたのですが、プログラム変更で外れていて少し残念に思っていたところ、なんとアンコールで歌ってくれて感激しました。

そして、〈モンテカルロの女〉を聴いたときには、卒業後に何度か勉強に訪れた南フランス・ニースでのことを思い出しました。
国外の同世代の歌を志す人たちとの出会いや、日本では得られなかった刺激に満ちた時間で、大きな成長のきっかけとなった経験です。
ニースとモナコはとても近く、ちょうど留学していたフランス語学校の友人とワークショップの合間に何度かモンテカルロを訪れました。
その頃のさまざまな思い出が一気によみがえり、歌の力、人とのつながりの不思議さを感じた夜でした。

posted by Amk at 21:14| 日記

2025年10月28日

日々のレッスンから〜ミュージカルを目指すTちゃんの成長

日々のレッスンの中で見えてくる成長や変化を感じられる瞬間は、指導者として何より嬉しいものです。
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昨年の夏から歌のレッスンに通ってくださっているTちゃん(小学生)が、先日行われたミュージカル系音楽オーディションで予選を通過し、本選への出場が決まりました。
およそ10倍の中から選ばれる、ハイレベルな審査だったそうです。

レッスンを重ねるごとに、声の響きが変わり、歌に心が乗るようになってきました。
その成長を間近で感じられることは、指導者として何よりの喜びです。

歌の上達には、中音域のコントロールがとても大切です。
この部分がスムーズになることで、セリフのように自然で伝わる歌声に変わっていきます。

私自身も、かつて発声に悩んだ経験があり、その中で見つけた改善法を今のレッスンに生かしています。
今回のTちゃんの成果も、そうした積み重ねの中で生まれたものだと感じます。

これからも、それぞれの生徒さんが自分の声を好きになり、音楽を通して自信を育てていけるよう、丁寧にサポートしていきたいと思います。
posted by Amk at 14:32| 日記

2025年09月09日

久しぶりの再会

ご結婚前から通ってくださっていたOさんから久しぶりにご連絡をいただきました。
フルタイムでお仕事をされながら子育てに専念されていましたが、
お子さんが小学生になって少し自分の時間が持てるようになったとのこと。

4年ぶりのレッスンで「どんな曲をやっていたかすっかり忘れてしまいました」とおっしゃっていましたが、
発声を中心にイタリア歌曲などを気持ちよく歌ってくださいました。

「声が出なくなったと思っていたけれど、体は覚えているんですね」と驚かれていました。

音楽は、たとえブランクがあっても再び寄り添ってくれるもの。
またご一緒できるのが嬉しく、これからのレッスンが楽しみです。
posted by Amk at 14:47| 日記

2025年07月17日

弾いて歌って、どんどん育つ音楽の芽

5歳のZちゃん。
レッスンを心から楽しみにしてくれているようで「ここが出来るようになったよ!」とキラキラした表情で教えてくれます。

はじめたばかりとは思えないほど姿勢や指の使い方も少しずつ整い、音符を読む力やリズム感もぐんぐん育ってきました。
ただ弾けるようになるだけでなく「音楽そのものを楽しむ気持ち」がしっかり伝わってきます。

当教室では、ピアノのレッスンに加えて「うたうこと」もとても大切にしています。
小さなお子さんでも声や体を「自分の楽器」のように感じながら伸びやかな音を響かせることを目指しています。

先週Zちゃんが挑戦したのは、外国の童謡。
歌詞は全てひらがなで読みやすいように工夫していますが、日本語とは違う呪文のようなリズムに「なんかよくわからない〜」と笑っていたのですが、繰り返し歌ううちにその不思議な言葉の流れに夢中になりました。

そして興味深いことにその後、同じ曲をピアノで弾いた時の音の出し方に変化が!
言葉のリズムやニュアンスがそのまま指先に伝わったかのような自然な演奏になりました♪

ピアノと歌。
それぞれの力が響き合いながら、Zちゃんの中に音楽の芽がしっかりと根付いていくのを感じた瞬間でした。

ひとりひとりの「今」の感性を大切にしながら、音楽をまるごと楽しめるレッスンをこれからも丁寧に育てて行きたいと思います。
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posted by Amk at 12:20| 日記